新型コロナ肺炎禍
2020-02-21


新型コロナウイルス感染に対する厚労省の見解や対応は混迷を続けている。最初は人から人への感染無しから始まり、その後接触感染や飛沫感染はするが空気感染はしないという見解に至っている。しかし最近中国からはエアロゾル感染の可能性も出されている。問題の正しい理解のためには現場の状況をよく観察する必要があり、そこから理屈で考えることが解決の第一歩である。クルーザー船などでの感染状況を見ると、手洗いやマスクなどの注意をいくら行っても防ぎきれない状況が見えてくる。これは感染経路が接触や飛沫と理解されているために防ぎきれていない可能性も考えられる。クルーザー船のような閉じた空間では空調が行われており、空気は各室を循環している。もし空気感染が起こっていると考えればクルーザー船や乗り物等で非常に感染率が高い状況を良く説明できる。マスクをしても手洗いしてもまだ感染が広がっていることも説明できる。空気感染はないという専門家の考え方が事態の甘い見通しに繋がっている。これにより各種集合行事も殆ど規制しない緩さが今後の感染拡大の可能性を拡げているだろう。エアロゾル感染というのは飛沫の水分が減って核が空中に長く漂いやすい状態での感染を言うが、これは限りなく空気感染に近いと言える。エアロゾル感染があるということは空気感染も否定できない筈である。特に今回は新型であるため抗体も出来ておらず、僅かなウイルス量でも感染しやすい状況だろうから空気の中に少量のウイルスが含まれるだけでも感染しうることは十分考えられる。それならば冬の乾燥時期の今、公共物や店などの密閉された空間での空調は十分な注意が必要であり、フィルタの性能の吟味や空気循環の停止や十分な換気なども考慮する必要がある。行政側としては国民の不安が広がらないようできる限り抑制した発表にしているのだろうが、これが結局日本国内の楽観的な見方を醸成している。しかし新型ウイルスというものは何であるかがまだ分かっていないのだから臆病になるほうが合理的であり、危険を回避できる可能性も高まる。これで過剰な防御となったとしても悔いはない筈。当初、武漢からの旅行客を簡単に入国させてしまった行政の楽観性が早い感染拡大の大きな原因になっている。特に体温37.5℃以上という緩い判定基準は、中年以降高齢なほど体温が低く発症してもあまり体温が上がらないことを考えれば感染者を通過させてしまった重大要因になっている可能性がある。事態の進行に追随するだけの楽観的で科学的でない後追いの行政がこの国の対応方向性を誤る根源と言えるか。
[日常]

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