ツェッペリンアンテナの動作メカニズム
2019-04-18


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ツェッペリンアンテナは昔飛行船ツエッペリン号に取付けられたアンテナで、端部給電(end fed)型アンテナの一種。ダイポールに比べて原理はどうなっているのか考えてみたい。まず手書きで見にくいが図の(1)は普通のダイポールアンテナ。真ん中部分は給電部である。アンテナの長さABは波長の半分(λ/2)である。赤い線は高周波の電流の分布を示している。A点とB点は解放端であるため電流最小(電圧最大)となっている。次に(2)図はそのダイポールの端部Bにさらにλ/2の長さの線を継いで伸ばしたもの。この場合、位相の異なるλ/2の波が2つ乗るので高調波アンテナとなる。次に(3)図は(2)図をB点で折り曲げ、さらに給電部で折り返してAの線とBの線が平行に並ぶようにしたもの。これがツェッペリンアンテナである。(3)図では線BCに(1)図のダイポールアンテナの線ABと同じようにλ/2の波が乗っている。折り曲げられた平行線上ではそれぞれλ/4の波が乗るがお互いに逆位相となるので電流は打ち消し合い、この部分からの電磁波放射は理論上は発生しない。このようにλ/2のアンテナ端部に電流最小電圧最大となるような高いインピーダンスで給電線をつなぐことで末端への接続でありながらちゃんと真っ当な給電を行うことが可能となる。一見アンバランスに見えるが原理的にはダイポールアンテナと変わらない動作をすることができるところが面白い。この方式の利点はアンテナの端部に給電するだけで良いので架設しやすいこと。飛行船でも給電部を端に持ってくることが好都合でこの原理を採用したのだろう。但し、このアンテナがちゃんとバランス動作をするためにはアンテナが正確に共振している必要があり、端部の電圧が正確に最大値になっていないと動作が崩れることが以上の説明で理解できるだろう。
[アマチュア無線]

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