2020-06-10
ニュートン力学では質量m〓の物体が速度vで運動するとき、その運動量を生じさせた運動エネルギーEは力Fによって物体になされた仕事に等しいから
E=F・∫vdt F:力
運動の第二法則より F=m〓・dv/dt だから
E=m〓・dv/dt・∫vdt= m〓・∫vdv より E= =m〓v2/2 (1) となる。
しかし相対論ではv→光速cにすると E=m〓v2であり、この2つのエネルギーはどのような関係になるのだろうか。そこでニュートン力学と相対論力学の関係を考えてみたい。
有名なE=mC2を導くには少し面倒な計算が必要であるが、以下のような初等的な方法でもある程度は感覚的に意味を掴める。
特殊相対性理論によれば速度vで運動する粒子の質量mは
m=m〓/√(1-v2/c2) (2) m〓:静止質量 c:光速度
(2)の中の1/√(1-v2/c2)を二項定理で展開すると
1/√(1-v2/c2)≒1+v2/2c2・・と近似できる。
よってvが十分低い場合 m=m〓+m〓v2/2c2 (3)
エネルギーの次元はkg・距離/s・距離/s であるから(3)式にc2を掛けると
mc2=m〓c2+m〓v2/2 となる
mc2の次元はkg・距離/s・距離/s となり、これはエネルギーの次元と一致する。
従ってE= mc2=m〓c2+m〓v2/2 (4) E:エネルギー
(4)式の右辺の第2項はニュートン力学における運動エネルギー(1)と一致する。
この粒子の運動速度がゼロつまりv=0の場合 (4)式はE=m〓c2となる。これは静止している質量m〓の持つエネルギーを表していることになると言える。以上から相対論的エネルギーは静止質量自身の持つエネルギーとニュートン力学の運動エネルギーの両方を含むという見通しが得られる。
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